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「風をあつめて」
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熊本県在住の浦上誠さんの書かれた第31回(1996年)最優秀賞受賞作「私たち夫婦の普通の家庭」をもとにしたドラマを観ました。


「私たち親子は助け合わなければ生きていけない。その分、他の健常者の家庭より、子どもとの濃密な時間を過ごすことができた。そういう考え方を娘たちは身をもって教えてくれたのだ。」

福山型筋ジストロフィーという不治の病をかかえ、浦上誠さんの二人の娘さんはこの世に生まれました。
その二人の娘を育て、色々な苦悩を乗り越え、やっと小さな光にたどり着けたような、浦上さんの言葉にはそんな美しい輝きを感じます。このドラマの中で伝えたかった全てが、この言葉に凝縮されている。そう感じさせてくれました。


人間にとって生きるとは?家族の絆とは?そしてあなたにとって生きる目的とは?愛のあり方とは?
主人公の心の苦悩は、見ている人の心に問いかけてきます。

コミュニケーションが上手く取れない浦上さん夫婦は、交換日記を通して家族の絆を強くしていきます。
浦上さん夫婦の間で、1/4の確立で生まれてくるという筋ジストロフィー。その1/4の確立に賭けて二人目を出産しますが、二人目の娘も筋ジストロフィーを抱え生まれます。


「発達障害を持っている子が何も出来ない訳じゃない」
「普通の子が普通に感じられる幸せを感じさせてあげたい」
それまで現実から逃げていた心は、二人目の子供をきっかけに大きく変っていきます。


「娘は苦しむ為だけに生きてるんじゃない。
雲を見て面白そうに笑っている。顔が笑っている。
いつも楽しい事を探して生きている。
動けなくても、話が出来なくても、感じようとしている」

そんな子供の姿に、「自分の生きる目的とは?」と問いかけられます。


「おとうさん」
子供が生まれて初めて口にする言葉、
美しい阿蘇の風景をバックに、家族の愛のあり方、素直に子供達を思う気持ちに涙が流れます。

見る人に夢と希望を与えてくれ、愛のあり方を教えてくれるドラマです。
同じ悩みを抱えている人達に、是非観て欲しいと思いました。
原作を書いてくださった浦上さん、製作してくださった方々に感謝です。
ありがとうございます。


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* NHK厚生文化事業団が主催するNHK障害福祉賞は、障害のある人や障害のある人を支援する人たちの体験手記を募集しています。この賞の過去の受賞作の中から、第31回(1996年)最優秀賞受賞作「私たち夫婦の普通の家庭」(浦上誠 著)をドラマ化します。
ふたりの筋ジストロフィーの娘と向きあいながら、いつしか幼い命に自分たちが生かされていることを知る夫婦の姿を描く、実話に基づく単発ドラマです。
(http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/8000/68593.html)

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「雨のち曇り、 そして晴れ」
障害を生きる13の物語
NHK厚生文化事業団 編
NHK障害福祉賞
第31回(1996年)最優秀賞受賞作「私たち夫婦の普通の家庭」(浦上誠 著)
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by rev-umachan | 2012-01-28 17:35 | アルジャーノン プロジェクト
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