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魂の深淵 2
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まさか自分が魂を身体に呼び戻さなくていけない場面(シチュエーション)に出くわすとは思ってもいなかったが、そういう場面に出会うというのは、何か意味があるのだろう。
そういうような場面に何度も出会うようになると、頭では解らなくても魂は解っているのだろうと思えるようになってくる。
「きっとこの魂が僕を呼んだんだ。だから僕は今此処にいる」と素直に思える時がもある。
そして深い意味がよく解っていなくても、僕はその場で出来る精一杯の事を淡々とするだけだ。


今まで幾度と無く「魂が呼んだ」と思わずにはいられない出会いがあった。
意識が無くて歩くことも鳴く事も出来なかった小鳥。その小鳥の飼い主が僕の名前を呼んだ時「ピーー」と一声、大きく鳴いた。目も開けられない瀕死の小鳥。その鳥の魂が僕の魂を感じて、最後の力を振り絞って鳴いたのだろう。その鳥は僕に出会ってヒーリングを受けたその晩に、静かに息を引き取った。小鳥の魂は身体を離れて大きなる光へと飛びだった。
あの鳥の鳴き声を思い出すたび、「小鳥の魂が僕の魂を呼び寄せた」そう思わないではいられない。

瀕死の猫に出会ったのも不思議な縁だった。動物病院のお医者さんが「この猫はもうだめです」と見切りをつけた猫。
友人から頼まれて、ある難病の方のヒーリングをしに自宅に行った時にその猫に出会った。猫は重症で口から泡を吹いて寝ていた。虫の息だった。前足の付け根の処に飴玉くらいの大きさの腫瘍があって、立つことも食べることも出来なくて、今にも死にそうだった。
「ご主人様を助けて」
飼い主のヒーリングをした後。腕の中に猫を抱いた時、猫がそう言っているように感じた。
指でコロコロと腫瘍を触っていると、飴玉が少しずつ小さくなっていくようになって最後には無くなってしまった。
すると今まで死にそうだった猫が立ち上がって、よたよたと歩き出して水を飲みにいった。
ペロペロと水を飲んで気が落ち着いて、猫はまた歩き出した。今度は足取りもしっかりしていて、そのまま飼い主が寝ている布団へと歩いていった。
そして驚いた事に、猫は寝ている飼い主の布団の上から両手を「バッ」と当てた。その姿はまるで飼い主をヒーリングをしているようだった。

多分、その猫が僕を呼んだのだろう。飼い主のヒーリングをしている猫を見ているとそう思わないではいられなかった。
「僕は何を見ているのだろう。唯の猫を見ているんじゃない。たまたま猫の中に入った魂が、愛して大切にしてくれている人を助けようとしている。僕が見ているのは猫じゃなくて、猫の姿に入っている魂なんだ」
猫でさえ飼い主である人間を助けようとしている。
魂の深淵を見たような気がした。


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by rev-umachan | 2013-06-26 00:10 | 魂の深淵
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