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自分の求めているもの

僕は生まれてから高校卒業まで、福島県の小さな田舎街で過ごした。
小さい頃は田舎が嫌だった。高校を卒業したのを機に、憧れていた東京に飛び出してしまった。

東京の美大に行って、卒業して、そしてイラストレーターとして就職した。
それから、東京の人間付き合いに疲れてしまって、渡米した。25歳の時だった。

『東京には自分の求めている何かがある』と思って田舎を飛び出したけど、それは錯覚だった。自分の思うような何かには出会えなかった。
そして、『きっとアメリカには何かがある』と思って渡米して、必死になって勉強して仕事して、アメリカの生活に自分を合わせようとした。

3ヶ月で貯金は尽きて帰国するしかないと思っていた。それが奨学金をもらって大学に入りなおして卒業して、シリコンバレーで働き始めた。
そして気がつけば、渡米してから23年の年月が過ぎていた。

23年経って、アメリカ文化の視点の狭さを感じた。やっぱり『自分の求めていた物はここには無かった』と思った。

そして帰国して、大阪で瞑想教室を始めた。それから東京でも教室を始めた。
何処に行っても『自分の求めていた何か』には出会う事は出来なかった。それでも瞑想教室では、何処でも見つける事が出来なかった『僕の求めていた何か』を、生きいきと表現する事が出来るようになった。

結局のところ、世界中の何処へ行っても『自分の求めている何か』に出会う事は出来なかった。それでも『求めていた何か』は、自分の内面から出てくる。頭の中から出てくる。思いを自分の言葉に代えて、考えを人に伝えていく事が、『自分の求めていた何か』だったんだ。

最近では、自分の思いは、ふつふつと心の奥底から現れてくるように思える。
世界中を旅して出会えなかった『自分の求めていた何か』は、心の中にあったのだとやっと理解出来るようになった。

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by rev-umachan | 2015-05-15 15:46 | いのちのやくそく
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