腹の蟲
f0171365_18171.jpg

「こんなに幸せな気持ちになれるなんて・・・」
さっきまで咳が止らなかった女性が、そう言ってくれた。

僕は感覚を研ぎ澄ませて、
ただずっと彼女の足の裏を触る。
足の裏から身体の隅々に神経を走らせて、
身体の痛みを感じ取っていく。

身体の痛みは、心の痛みとなって、
僕の脳に入ってくる。

そして僕は彼女の痛みを自分の痛みとして、
削ぎ落としていく。

お腹の痛みが蟲となって見えてくる。
蟲は居心地が悪そうに「ごそごそ」と動いている。
僕はその蟲を痛みと供に削ぎ落とす。

「こんなに幸せな気持ちになれるなんて、思ってもみなかった。」
ヒーリングの後にそう言ってくれた彼女の顔はとても幸せそうで、
もう思い残す事は無いというような顔をしていた。


あれから一週間後の今日、
彼女が永眠したと聞いた。

思えば、肺がんで3ヶ月の命だと言われてから3年近くの月日が流れた。
一時は、これまで永らえたのが不思議なくらい元気だった。

それがずっと連絡もなかったのに、彼女は僕に会いたいと電話をくれて、ヒーリングを受けてくれた。
ヒーリングで咳や痛みが無くなって永眠出来たのが、せめてもの救いだったのかもしれない。

最後の最後の死ぬ間際に、僕に連絡してくれた意味を考えないではいられない。

「何故、連絡してくれたんだろう。
僕に何をして欲しかったんだろう。
僕はちゃんと正しい事をしたんだろうか。」

彼女の元気だった頃の顔を思い浮かべては、涙が流れる。
[PR]
by rev-umachan | 2014-03-24 01:08 | 個人セッション(ストーリー)
<< 胎内記憶・幼児教育・スピリチュ... 子どもと親のヒーリング >>