ミッドナイト スウェット ロッジ
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2007年12月31日、深夜、私は年越しのスウェット ロッジの儀式に参加した。
メキシコからカナダまで縦断している国道5号線。その道をマウント シャスタから30分位、車で北上する。そしてオレゴン州の州境のあたりで国道を降り、暗闇の中、小さな田舎道を走る。すると、小さな温泉施設、スチュワート スプリングスへと辿り着く。
そこが、スウェット ロッジの儀式が行われる場所だ。

スウェットロッジを唯の高温サウナだと思っている人がいるかも知れないが、そうではない。スウェットロッジとは、ネイティブアメリカン達の間で、北米と南米の両大陸にまたがる広範囲の地域で、気の遠くなるような昔から行われてきた神聖な儀式なのだ。
ネイティブアメリカン達は、遠い昔、遥か太古の時代からアメリカ大陸に住んでいた。最近の発見では、紀元前5千年の人骨がカリフォルニアで発見されたというのだから、どれ程昔から彼らがこの土地に住んでいたかというのが想像できる。
その彼らが、祖先から受け継いできた神聖な儀式。それがスウェット ロッジだ。


スウェット ロッジが行われる、真っ暗闇のテントの中。焼けた石だけが薄暗く、静かに、ぼんやりと赤い光を放つ。
その焼けた石の上へ、乾燥させた薬草をパラパラとを振りかける。振りかけた薬草は、石の上で線香花火のように、チリチリと一瞬赤い光を放っては黒くなり、燃えていく。そして燃えた薬草は心地よい香りへと形を変え、私の心と身体へと浸透していく。

焼けた石の上へ、冷たい水をかける。水は一瞬にして熱い蒸気となり、テントの中へと充満する。
蒸気は上から下へと降りてきて、私の身体を包み込む。私の皮膚は、熱さで麻痺して、何も感じなくなる。一瞬、熱い蒸気で息が出来なくなる。
しかし、テントの外には、数日間降り続いた雪が大分積もっている。テントのそばを流れている川の水も凍っている。だから、テントの中の熱い蒸気の温度もすぐに下がってくる。じきに、薄い敷物を通して、冷たい地面の感触も気になってくる。

時折、テントの入り口を開けると、青白い月明かりに照らされた外の世界が、ぼんやりと目の中へと入ってくる。そしてテントの中の熱い蒸気は、すぐに外へと逃げていく。私達が流した汗や熱気は、蒸気となって冷たい空へと登っていく。そしてその代わりに、外から冷たい空気が中へと入り込む。その冷たい空気に反応して、私の身体は一瞬にして引き締まる。

テントの中では、自分自身の心の探求が行われる。私は、心の中の深い深い、深遠な処へと降りていく。そしてそこで、自分の答えを見つけようとする。
しかし、私は、答えを見つけようとはするのだけれど、そうそう簡単に自分の求める答えを見つける事が出来ないでいる。

「見つけた。」と、思う時もある。
「見つけられない。」と、感じる時もある。
「何時、見つかるのだろう。もう見つからないかも知れない。」と、思う時もある。
「答えというのは、見つけられなくてもいいのかもしれない。」と、思う時もある。
「答えを見つけようとする過程が大切なのだ。」と、思うようにもなった。
私は昔に比べ、答えを見つける事に執着しなくなったのだろうと思う。自分自身を窮地に追い詰める事をしなくなったのだろう。何に対しても柔軟になったのかも知れない。

暗闇のテントの中では、色々な事を思う。自分の心の深遠な処から、色々な思いが心の表面へと登ってくる。それらの思いは、言葉になったり、絵になったりしながら、頭の中へと浮かんでは消えていく。
そしてそれらの言葉や絵は、蒸気となって、冷たい空の彼方へと消えていく。
後には、綺麗な星が見えるだけだ。
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by rev-umachan | 2008-12-21 07:02 | シャスタ ヒーリング
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