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カテゴリ:物語 / 13( 3 )
13 - 学校
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半年間以上も、学校という社会生活から遠ざかっていた。
それは13歳の僕にはあまりにも大きな出来事で、とても取り戻せないようなブランクだった。
僕は必死だった。自分自身を社会に、学校に、そして家庭に順応させるのに必死だった。

自分の回りの社会に順応させようと、あまりにも意識しすぎた為なのか、腎臓病の薬を飲んでいたせいなのか、僕の頭脳は自分の身体をどう動かせば良いのか分からなくなっていた。それはまるで、よちよち歩きの赤ちゃんが使い慣れていない手足の筋肉を、必死になりながらも頑張って使いこなそうと、ぎくしゃくしながらも動かしているような感じだった。

中学校に入学してから既に半年以上の時間が経っていた。その間、僕はずっと病院のベッドの上にいて、一度も学校に行く事は無かった。そんな状態で学校に行くというのは、精神的に結構大変な事だった。

学校の勉強についていけるのかどうか?という問題以前に、学校の雰囲気に馴染めるかどうかという問題があった。実際、学校に行きだしてから感じたのだけれど、半年間という時間を経て築き上げられたクラス内の友人関係の力配分は、僕の入る隙間を全く与えてくれなかった。僕は、クラスに馴染めないで一人浮いていた。

入院する前の僕は、家に帰ってきて勉強をしなくても学校の成績が割と良くて、優等生の方だった。それが入院して、半年後に学校に復帰した時には極端に成績が落ちていた。

それでも、入院中は暇さえあれば教科書と参考書を読んで一人勉強していたから、授業の内容を理解出来なくは無かった。もともと感が良い方だったから、半年間のブランクがあっても一ヶ月もすれば何とか授業にはついていけるようになっていた。だけど授業についていけるようになっても、クラスの中で僕はいつも孤独だった。

小学校では皆小さい頃から一緒に育って大きくなっていった。僕らが行っていた小学校は街中にあって、商業を営んでいる人や会社員の人達が多く住んでいる地域だった。だからそこに住んでいた人達は、割と同じような生活をしていたし、一緒に小学校に通っていた人達は皆、友達と呼べる間柄だった。

それが街中から少し離れた中学校に行ってから、状況が一変した。街外れにあった中学校には色々な処から通ってくる子供達がいた。商業地区からも農業地区からも子供達も通ってきていて、それまでの小学校で見る顔ぶれとは全く違かった。

小さい頃から知っている友達、始めて会う人達、見かけた事はあるけど話はした事の無い人。そんな多種多様な人達がクラスの中にいる。そんな複雑な人間関係が存在するクラス。思春期の中学生にとって、そこで自分の存在場所を確保するのが大きな仕事となっていた。
クラスの中には、複雑な人間関係、友人関係というのがあって、それを素早く分析して何処かのグループに入る。それが自分の居場所を見つける事だった。40人程しかいない小さなクラスだったけれど、その小さな場所がその時の世界の全てだった。
by rev-umachan | 2010-09-11 23:50 | 物語 / 13
13 - 宴 (「黄泉の王」を読んで)(2010年7月28日)
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首と胴とを一緒にほうむることを許されず、その上、頭蓋骨の真中に釘をうたれていたのである。首と胴がはなればなれになったうえ、頭蓋骨に釘を打たれた死体が、二度と復活するとは思われない。(中略)

この華麗なる壁画にかこまれた、狭く暗い世界。そこで今しも、朝賀の儀式がおこなわれようとしている。(中略)
しかしこの世界は、地下深く閉じ込められた世界であり、この死霊は、けっしてよみがえってはならない死霊なのである。頭蓋骨のない死霊が、どうして蘇ることができよう。

「黄泉の王(よみのおおきみ)」 著者:梅原猛 新潮社 P. 48
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遠い昔の何処かの国。
そこは深い地中の墓の中。
暗くて狭い墓の中。
僕は死んで、そこに閉じ込められる。
何年も何十年も、墓の中の石壁を見ながら動けないでいた。
見ると、頭の後ろには釘が刺さっている。
しかし自分自身の頭蓋骨はそこにはなかった。
とても苦しくて切ない自分がそこにいた。


シャラン、シャラランと鈴の音
ボロロン、ボロロンと琴の音

そこは光の届かない
深い闇に包まれた、黄泉の国
日の光も、月の光も届かない

地上の栄華も、栄光も、其処の国へは届かない


シャラン、シャラランと鈴の音
ボロロン、ボロロンと琴の音

そして、宴の始まりだ
闇の奥深くから、華麗な男女が現れる

あなたは此処を治めなさい
誰にも邪魔をされないで、此処を治められるはず
そしてあなたは強くなる


シャラン、シャラランと鈴の音
ボロロン、ボロロンと琴の音

そこは深い闇の中
黄泉の国と呼ばれてる
魑魅魍魎(ちみもうりょう)が居つく場所

あなたは恐れる事は無い
何故ならあなたは黄泉の王
by rev-umachan | 2010-07-28 12:43 | 物語 / 13
13 - (プロローグ) / 無縁坂
(作詞/ 作曲::さだまさし)


母がまだ若い頃 僕の手をひいて
この坂を登る度 いつもため息をついた
ため息つけば それで済む
後だけは見ちゃだめと
笑ってた白い手は とてもやわらかだった

運がいいとか 悪いとか
人は時々 口にするけど
そうゆうことって確かにあると
あなたをみててそう思う

忍ぶ 不忍 無縁坂 かみしめる様な
ささやかな 僕の母の人生


いつかしら僕よりも 母は小さくなった
知らぬまに白い手は とても小さくなった
母はすべてを暦に刻んで
流して来たんだろう
悲しさや苦しさは きっとあったはずなのに

運がいいとか 悪いとか
人は時々 口にするけど
めぐる暦は季節の中で
漂い乍ら過ぎてゆく

忍ぶ 不忍 無縁坂 かみしめる様な
ささやかな 僕の母の人生


(http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND49673/index.html)
by rev-umachan | 2010-06-13 23:41 | 物語 / 13